ニャースのかきくけこ

ニャースはアニメ、ゲーム界のベンジャミン・フランクリン。

読書メモ:「出光佐三 魂の言葉-互譲の心と日本人」 滝口凡夫

 

特に印象に残ったのが以下の部分。
”互譲互助、無我無私、義理人情、犠牲とかはみんな「お互い」からでてきている。大家族主義なんていうのも「お互い」からでてきている。その「お互い」ということを世界が探している。”
他の国と陸続きではなく侵略もされてこなかった日本が地理的な背景を通して育んできたこれらの思想は、いまの世界的な基準で見れば時代遅れで改めるべきものだと思っていたが、そうではなく、むしろいま世界に啓蒙してかないといけない、ていうのは自分の中で新しい視点だった。

 
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以下、読書での私的メモ。
 
知るところを忘れて行うところを知る。
 
 
復興への檄
この際、店員諸君に三つのことを申し上げます。
一、愚痴をやめよ
一、世界無比の三千年の歴史を見直せ
一、そして、いまから建設にかかれ
愚痴は泣き言である。亡国の声である。婦女子の言であり、断じて男子のとらざるところである。ただ、昨日までの敵の長所を研究し、取り入れ、おのれの短所を猛省し、すべてをしっかりと肚の中にたたみ込んで、大国民の態度を失うな。
 
 
互譲互助、無我無私、義理人情、犠牲とかはみんな「お互い」からでてきている。大家族主義なんていうのも「お互い」からでてきている。その「お互い」ということを世界が探している。
 
 
鈴木大拙氏の話を聞いて、佐三は次のように感じた。
「心が発達した人は、知恵も悪い方には使わないもので、心をつくるために、宗教や哲学、教育や修養というものがあるのだろう」と。
「物の世界」では心が軽視されていて、対立闘争に至る。「人の世界」では、心を尊重し、精神の積み重ねができているから、知恵を対立ではなく平和のほうに使うことができるようになる。物ではなく、心が尊重される世界が「知恵の世界」なのだ。
 
 
資本は人である。金ではない。
 
 
なにも外国に物の面で追いつかなくてもいいじゃないか。それよりも外国の人に向かって、心の豊かさと心の富のあり方に追いついてこい、それが平和に通ずる道だ、と教えてやったらどうだい。
 
 
創業に際し、まず営業の主義を社会の利益に立脚せんとしました。
事業の生命は社会とともに永久であるからです。