ニャースのかきくけこ

ニャースはアニメ、ゲーム界のベンジャミン・フランクリン。

2018年2月に読んだ本

2018年2月に読んだ本

 

1.

暗記力

暗記力

 

再読。テストで良い点を取るための暗記力ではなく、独立した個人が備えておくべき教養を意味する、もっと広義での暗記力について語られている。ざっくり要約すると偉人の言葉や世界文学の一節をそっくりそのままの形で記憶し、必要に応じて取り出す(引用)することができる、血肉化させることが大事だと説く。技術についてはエジソンやファラデーが百科事典を繰り返し読み記憶していたことを引き合いに出し、博学こそがアイデアの源泉になると説く。異論はとくにないが、この本の前半はあまり読む必要がないように感じた。

 

 

2. 

世界を変えた10冊の本 (文春文庫)

世界を変えた10冊の本 (文春文庫)

 

書物の持つ力の大きさが改めて思い知らされる。過去、世界中すべての本から10冊セレクトしているので当然偏りはあり、宗教書、経済書の比率が多い。「資本論」や「資本主義と自由」など存在だけは知っているものの、中身については無知だった本についての一定の基礎知識を池上さんのやさしい解説によって獲得できたのは大変大きい。アンネの日記のドロドロした部分についてはとても意外で驚いた。完全版の出版をめぐる論議についても併せて解説されているのでその書物の中に書かれてあることだけでなく、その時代背景や周辺知識も含めて知れるのが池上さん本の良いところ。

 

 

3.

ポケモン大特集ということで特典にポケモンのGB初代っぽい箱のサンムーン版が付いていた。とりあえず本棚に飾った。中身もポケモンが充実していて、穴久保ギエピーの読み切りとかしょこたんポケモン漫画、イラスト集、インタビューなど盛りだくさん。ポケモン好きにはたまらない!青が小学館独占販売された頃のコロコロ本誌をもう一度読んでみたくなった。ヤマザキがなかったのは残念。

 

 

4.

カーネギー自伝 (中公文庫BIBLIO)

カーネギー自伝 (中公文庫BIBLIO)

 

カーネギーは自身が語っているように楽天家だったようだ。
”世界は明るく、この世が本当の楽園のように思われて、いつも愉快で自分の幸運に感謝していた”カーネギーが自ら著したこの本は、たとえ予期しない世界情勢の変化によってある意味、未完のまま終わっているとしても、実業界での物質的な成功を追い求めるためではなく、広く人生一般の糧を得るための本として少しもその価値を失わない。
読んでいて思ったのは、
「〜〜の出来事ほど私の人生にとって嬉しかったことはない」や、
「〜〜という人ほど善良で魅力のある人物を他に知らない」といった賛辞が惜しみなく何度も登場してくることだ。「最も深い友人」と呼ぶ者さえ何回も登場するので、カーネギーさん、いったいあなたの本当の親友は誰ですか?と思わず心の中で突っ込んだが、きっと、カーネギー氏は本当の意味で心の底からそれぞれの人に対していちばんだと感じていたのだろう。
性善説で生きることの大切さを改めて知る。

 

 

5.

シェイクスピア全集 (2) ロミオとジュリエット (ちくま文庫)

シェイクスピア全集 (2) ロミオとジュリエット (ちくま文庫)

 

”おやすみ、おやすみ!別れがこんなに甘く切ないなら朝になるまでおやすみを言い続けていたい”という超有名な台詞はこのロミオとジュリエットの物であるとは知っていたけど、今までそれがどのような前後の文脈で発せられた言葉かをわかっていなかった。それが今回読んだことで場面や登場人物の心情をよく理解できて、生きた言葉として頭に入った。
”一万人のティボルトを殺したも同じだわ”には思わず笑ってしまった。彼には大変申し訳ないが・・。好きな人物はロレンス、逆に嫌いなのは老キャピレット。

 

 

・・・ということで2月は計5冊。コロコロコミックカーネギー自伝を同じ単位で計算しているのはいささか妙な気もするが(汗

2月度の最も良かった本は、読了するのに要した時間や集中力も圧倒的だったカーネギー自伝。しかし、学びも大変に多かった。赤線を引いたところをEvernoteMacを使ってキーボードで転記する作業だけでも、他の本だと長くても30分程度なのに、これは数時間かかった。今後の人生の中でも折に触れ、読み返していきたい1冊。