ニャースのかきくけこ

ニャースはアニメ、ゲーム界のベンジャミン・フランクリン。

2019年11月に読んだ本

2019年11月に読んだ本

 

1.

めざせ! 最適設計 実践・公差解析

めざせ! 最適設計 実践・公差解析

 

公差の設計と解析の考え方を解説した良書。2人の著者により非常に丁寧に説明されており、何度も繰り返し読むべき本。自分も過去3度ほど途中で挫折(最初から読み進めるとだんだんと内容が高度になり、理解が追いつかずに挫折)していたが、今回やっと最後まで読めた。技術的な議論に終始せず、序文の「そもそも技術とは何か?」という質問と著者の考え方である「転写性」というのもすごく参考になった。
また本書は専用のURLからダウンロードすることでエクセルで各種の統計解析ができるようになっており、ファイルの使い方・体験の仕方まで解説してくれている。しかし自分はMacユーザで実際に触ってみることはできなかったのでその部分は参考程度に読み飛ばしたのだが、それでもボリュームとしては十分に濃く、非常に学びの多い一冊だった。すべてを理解するにはまだまだ繰り返し読まなければいけない。

 

 

2.

〈図解〉基本からよくわかる品質管理と品質改善のしくみ

〈図解〉基本からよくわかる品質管理と品質改善のしくみ

 

広範な範囲の基礎をさらっと。同じ著者で図面シリーズがすごく良かったのでこちらも買ってみたけど、自分には少し物足りなかった。QC7つ道具は一応一通り紹介されているけど、検定・推定や相関分析なんかは本書のレベルではないとばっさり割愛。さっと読んで全体の復習をする分には良さそうだ。

 

 

3.

たった一人の熱狂-仕事と人生に効く51の言葉-

たった一人の熱狂-仕事と人生に効く51の言葉-

  • 作者:見城 徹
  • 出版社/メーカー: 双葉社
  • 発売日: 2015/03/18
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

アマゾンのPrimeReadingで電子版を無料で読んでみた。見城氏は幻冬社の社長ということだけは知っていて、それ以外の事前情報は何もなし、且つ編集者だっということも知らなかった自分のような読者でも、相当に学びが多かった。本のタイトルにもあるとおり、著者の仕事・人生への熱量がすごい。ただし、著者は仕事が憂鬱で本質的には苦しいものであると考えているようで、その点が自分にはいまいち理解できなかった。ぼくにとっては仕事は楽しいものという意識だったけど、それは著者ほど没入とか困難なチャレンジをしていないからかもしれない、とふと思った。

著者の言葉で特に印象に残ったページを以下に引用する。
”何年もかけて準備してきた大型プロジェクトがようやく完成し、大きな初版部数で本が出版される。発売と同時にプロモーションも稼働する。こうした熱狂の放出が終わると、僕はたまらない寂寥感に襲われる。
一つの熱狂が終われば、自らゼロの地平に一人で舞い戻る。この地平から戦いを始め、まだ見ぬ熱狂の高みへと飛翔する。圧倒的結果をゼロに戻して新しい戦いに向かわなければ、より大きな成功や結果を絶対に得られないのである。”

自らを奮い立たせたい時にカンフル剤的な活用をすると良さそうだ。

 

 

4.

超ロボット化社会-ロボットだらけの未来を賢く生きる- (B&Tブックス)
 

東京大学で講師を務め、自身もソフトロボティクスを研究している著者が過去、現在、未来のロボットの展望について述べた本。ロボットの素晴らしさや期待される未来を誇大に喧伝するでもなく、かといってマイナス面にばかり注目して悲観するでもない。技術者らしく最先端にいる著者の視点から、現状と近い将来の見通しについて冷静に俯瞰する。いたずらに盛り上げようとアピールもしていないので、章によっては幾分退屈だったりするが、逆にいえばロボットの展望について誠実だともいえる。
「ピザ配達ロボットの恩返し」は実際に想像できて思わず笑った。「ドローンで幽体離脱」も確かにテクノロジーでろくろっ首を再現したことになる。先日、ドローンで鬼ごっこをするTV番組を見たが、その時に感じていた既視感はきっとこれだ。

 

 

・・・ということで11月は計4冊。豊田の家で過ごす日は独りなので気兼ねなく勉強のための読書ができる。4ヶ年計画も立てねば。

『自発的に継続して学び続けないものはいずれ淘汰される。』と先月の読書日記に自分で書いた。その必要性への焦燥は今も変わらない。理想は毎月8冊だけど現状の読むスピードでは難しい。朝と夜の時間を上手に活用して少しでもたくさん学ぼう。