読書メモ:「スマート・ファクトリー 戦略的『工場マネジメント』の処方箋」 清威人
本書によると、スマート・ファクトリーとは、
・工場内のさまざまな機器のネットワーク化
・さまざまな視点による管理ポイントの設置と関連性を持った形でのデータの取得
などを実現することにより、
・工場の多岐にわたる活動情報の見える化
・情報間の因果関係の明確化
ができるようになる。ここまでしてはじめて上記の①への施策の検討ができる。要は、どの部分にどのような在り方で無駄があるのかを詳細に見える化しないと有効な打つ手を考えられず、またその施策でどれだけの効果が見込めるかを推測することもできない。暗中模索で無駄なトライ&エラーを繰り返すのではなく、どんな魚がどこにどれだけいるか明瞭に分かっていてそこにピンポイントで針を落とすような最小の労力で最大の速度で成果を得るためのシステムの話。システム全体の構想がメインで具体的な事例は少なめ。
読書メモ:「たかが英語!」 三木谷浩史
英語の習得は筋力トレーニングに似ているというのはわかりやすい表現だ。どちらも適切な頻度で適切な負荷を維持しなければならない。楽天が社内公用語を英語化すると発表した時、自分もニュースで見て驚いた記憶があるが、その後すっかり忘れてしまっていた。本書で英語化の宣言から移行期間の2年間に取り組んだこと、段階的に切り換えるといった会社の効率性低下を抑制するための運用への気遣い、そして宣言通り英語化した今、楽天が感じているメリットについて興味深く読んだ。自分の会社はまだまだそんな兆しはないけど、個人レベルではいいかげん英語ひとつも使えないのはまずいんじゃ、と内心焦りはじめてきたところだ。そんな心境の自分にはまさにうってつけのタイミングで読んだ本で、楽天社員を見習って英語の勉強を開始することにした。2020年いちばん最初に読んだ本がこれでよかった。
*
以下、読書での私的メモ。
読書メモ:「図説世界を変えた50のビジネス」 ジョン・リプチンスキ
こういった選書で必ず出てくる議論、「○○があるのに○○がないのはおかしい」は議論そのものがナンセンスなので触れずに簡単に感想のみ。
タイトルは50の”ビジネス”だが、実際にはそのビジネスを興した、もしくは中核的な役割を担った”人物”がメインである。1人につき見開き2ページだが、右半分は肖像とかのイラストに費やされるので実際の読める分量としては1人1ページだ。よって、内容もそこまで深くは入り込めないのでこれで興味を持った人物を見つけたらさらに別の本を探すのが良い。
私の琴線に触れたのは以下の3人。
最初の工場を設立したリチャード・アークライト。
利益のためなら法も犯し泥棒男爵とまでいわれたジェイ・グルード。
サムスン急成長の立役者、李健ヒ。
それと、大前研一氏も紹介されていて、経歴を見て改めて驚く。とても1人の人生とは思えない。
*
以下、読書での私的メモ。