ニャースのかきくけこ

ニャースはアニメ、ゲーム界のベンジャミン・フランクリン。

2018年1月に読んだ本

2018年1月に読んだ本の感想

 

1.

400頁以上と本自体のボリュームはあるが中身的にはあっさりしている。特に敵キャラの戦いが非常に淡白で、回転寿司のように代わる代わる出てくる。ゲームのストーリーを追うことより、多少内容の改編をしたとしても、もう少し手に汗にぎるバトルを読みたかった。敵キャラ撃破→新しい武器獲得→それを使って次の敵撃破のループが素っ気なくスピーディに展開されていくのを読者はただ追いかける形になったのが残念。ロックマンの正体がロックというお手伝いロボだったことは知らなかったので良い発見だった。

 

 

2. 

計10本の短編を収録。ドラえもんの作者だがこちらはちょっと大人向け。個人的に好きだったのは「倍速」。好きな倍率で周囲の時間をスローにできる時計を持った男の話。ラストの新婚旅行で出かけたハワイの夜ホテルで「あなた早いのね」はくすっときた。ブラックユーモアが秀逸。 

 

 

3.

ものづくり現場の微粒子ゴミ対策―製品信頼性/生産性を決める!

ものづくり現場の微粒子ゴミ対策―製品信頼性/生産性を決める!

 

計10本の短編を収録。ドラえもんの作者だがこちらはちょっと大人向け。個人的に好きだったのは「倍速」。好きな倍率で周囲の時間をスローにできる時計を持った男の話。ラストの新婚旅行で出かけたハワイの夜ホテルで「あなた早いのね」はくすっときた。ブラックユーモアが秀逸。

 

 

4.

ポケモン・ストーリー

ポケモン・ストーリー

 

ポケモンというコンテンツをその誕生から当時の発展までビジネス的な視点から考察した超大作。頁数は542。初版刊行は2000年12月でこれはちょうどGBの金銀発売から1年経過時。ポケモンの誕生はゲームフリークが開発したいわゆる「初代」と呼ばれる赤・緑のゲームソフト。そこから派生してカードゲーム、アニメ、映画、ライブショー、そして膨大な関連商品の数々。
ニンテンドー64の発売が間近に迫っていて、ゲームボーイの役目は当時誰もが終わったと考えていたそんなある意味晩年に登場した一本のゲームソフトが、ここまでの社会現象を引き起こし、任天堂の携帯機戦略までも変えてしまうことになるとは、当時は開発者たちさえ考えなかったに違いない。ポケモンポケモンになれたのは、様々な会社、立場にいる優れた人たちが非常に稀なる偶然、時を共有して、その可能性に気付き大切に育てられたからにほかならない。ゲームソフトとしてのポケモンの開発秘話はもちろんのこと、ゲームフリークという会社の成り立ち、クリーチャーズ任天堂小学館、それからアニメ化にあたってはテレビ東京やJR企画など本当に多くの関係者が出てきて、ポケモンという広範なコンテンツがどのような過程で成長していったかが非常によくわかる。
当時、GBソフトのポケモンを夢中になってプレイしていた今はオトナとなった世代にこそ、読んでほしい本。これからもポケモンを好きでいようと改めて思った。

 

 

5.

新幹線安全神話はこうしてつくられた (B&Tブックス)

新幹線安全神話はこうしてつくられた (B&Tブックス)

 

1964年10月1日、東京オリンピック直前に世界最初の高速鉄道として開業した「新幹線」のその営業開始直度における多難な時代を指揮し、今日の安全な世界に誇る新幹線に育てた立役者の本。技術の人ではあるが、直接執筆されているのが良い。
営業開始から数年というのは、相次ぐトラブルに追われて関係者はほとんど寝ていなかったのじゃないかと推察する。そのくらいトラブルが多かった。雨や雪による気象影響や設計、人の運営管理における問題まで噴出した。トイレ吹き上げ事件を現地現物で雨合羽を着て直接体験されて確認されるシーンは、著者に申し訳ないが少し笑ってしまった。今日の快適で安全な新幹線の裏の関係者の尽力の物語。

 

 

6. 

新幹線の時代

新幹線の時代

 

0系新幹線の当時を写真付で知れる本を探して出会った。0系だけでなく、本書が刊行された2008年時点までのJR各社の新幹線については網羅されていると思うので0系という原点から現在への経緯を余すところなく知ることができる。車両のモックアップ(試作段階で量産に至らなかった)の写真などもあって非常にレア。個人的にはp98の有楽町、新橋あたりの高速道路と並行して走る0系の写真が良かった。大判で綺麗に印刷して部屋に飾りたくなるくらいに。

 

 

7. 

かつてボンボンで連載されていたゴエモンのゆき姫救出絵巻(スーファミソフト)のコミックス全3巻を1冊にまとめた復刻版。子供の頃、ヤエちゃんの少しスケベなシーンですごく興奮した記憶があって、懐かしさもあって購入。だけど、ぼくの見たかったそのシーンは、これには収録されていなかった。本作では、ヤエちゃんよりむしろおみっちゃんの方がキャラが立っている。物語自体はゲーム本家のストーリーに沿って淡々と進んでいくけど、その合間に魅力的なキャラたちのドタバタ活劇や少年誌特有のギャグが織り交ぜられていて、今読んでも全然色褪せていなかった。他のも復刻してほしい。

 

 

8.

新幹線はすごい (ベスト新書)

新幹線はすごい (ベスト新書)

 

新書にしては写真、話題の豊富さ、新幹線史のカバー範囲といった内容が充実しているのに、本の「タイトル」で損をしてしまっている気がする。『新幹線はすごい』て、そんなタイトルありか・・。新幹線関連の本を立て続けに読んでいて、たまたま図書館にあったから読めたものの、これが本屋やAmazonなら数多ある新幹線本の中からわざわざこれを買おうとはきっと思わなかった。中身が想像できないが、本書には0系からN700やE5系までの変遷、もっと遡って新幹線の線路建設工事、日本の新幹線網、豆知識としての列車電話やチャイムなど読み物として非常に充実しているのでおすすめ。

 

 

9.

コペルニクス―地球を動かし天空の美しい秩序へ (オックスフォード 科学の肖像)

コペルニクス―地球を動かし天空の美しい秩序へ (オックスフォード 科学の肖像)

 

図説なども豊富で丁寧に説明されているが、天球の動きについての部分で一部理解できないところがあった。本書のせいではなく、きっとぼくの能力不足だと思う。ヨーロッパを1,000年以上に渡って支配した天動説を覆したコペルニクス。その功績自体は世界の常識として知られるが、プロセスについて知る人は少なく、ここにフォーカスしたのが本書。コペルニクスは当然天才であるが、ある一瞬のひらめきによって、この世界を変える発見をしたのではなく、丹念に研究を続けることで少しずつ真実に近づいていったことがよくわかる。それにしても、最晩年(寿命的な意味での)になって、「出版」が間に合って世に出せたことは本当に奇跡だと思う。門下生グッジョブなんてレベルじゃない。

 

 

・・・ということで1月は計9冊を読んだ。この他3DSも結構遊んでいたので趣味に

時間をたっぷり使えた月間だった。来月はQC検定1級の勉強を本格的に始めるので

読書は控えめ。

1月に読んだなかで最も良かったのは「ポケモンストーリー」。2018年は毎月1冊

とくに良かったのをメモしておいて、年末にそれら12冊を改めて振り返ろうと思う。