2018年10月に読んだ本
2018年10月に読んだ本
1.
ゲーム界のトップに立った天才プログラマー 岩田聡の原点: 高校同期生26人の証言
- 作者: 岩田聡の記録を残す会
- 出版社/メーカー: スタジオスパーク
- 発売日: 2016/07/06
- メディア: Kindle版
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マザー2開発とかハル研立て直しとか、そして任天堂の社長に就いてからの実績等数々の伝説を残した岩田氏が高校時代をどのように過ごしたかが同級生により描かれる。バレーボール部での活動は、3年間一度もスタメン入りできなかったものの熱心に練習し、応援で声を出したり頼まれてもいないのに自発的にスコアを記録したりと常に今いる環境で最善を尽くそうとしていたことが伺える。HP製のプログラム電卓を使って自作した野球ゲームが紹介されているが、現代の「ゲーム」とはあまりに違い、電卓なので表示は10桁の数字のみでこれでゲームをするのは相当な工夫と想像力が必要だ。遊び方的なのも掲載されているが自作して友人たち披露して、さらにメーカーにも送るということを高校時代にやってのけたことに片鱗が見える。
高校の同級生たちの証言を元にしているので、東工大入学以降は様子があまり分からないが、仕事をはじめ、任天堂の社長になってからも度々札幌の同期会に顔を出していたのは意外だった。人との縁を大切にする人だったのだろう。
2.
- 作者: W.シェイクスピア,William Shakespeare,松岡和子
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 1996/12/01
- メディア: 文庫
- クリック: 7回
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「休息も、陛下のお役に立たなければ辛い労働でございます」
なんて王に言っておきながら、裏では暗殺を画策しているのだから恐ろしい。
まさに「偽りの心に巣食う企みは、偽りの顔で隠すしかない」だ。
魔女が予言したことの一つが実現したからといって、それ以外のことも現実になるかは不明なのに、言い換えるとひとつの小成功を収めたからと言って、次の大成功が約束された訳ではないのに、自分の欲望に負け悪の道を突き進んだ結果身を滅ぼす。マクベス夫人が死んだ報せを受けた後の対応がとくに印象的だ。あまりにも悲しいが、それだけ切迫した状況であることを伝える表現だとも読める。
3.
豪族が競って古墳を建造した時代から現代までをお金にフォーカスして総括する一冊。現代のような通貨が本格的に使われるようになったのは宋銭が大量に輸入されるようになってからだと思っていたけど、自国の通貨が根付くのはさらに時代を経なければならなかった。日露戦争に日本が勝利できたことは、その裏で戦費調達に奔走した高橋是清の尽力が非常に大きな要因だった。勝利できたこと以前に、戦争をできたこと自体がすごいというような時代背景だったことがわかる。
・・・10月は以上の計3冊。今月のMVPはなし。