ニャースのかきくけこ

ニャースはアニメ、ゲーム界のベンジャミン・フランクリン。

2018年8月に読んだ本

2018年8月に読んだ本

 

1.

確かに絵の描き込みはすごい。本家の鳥山明氏のDBと遜色ないほど。DBは一応学生の頃に全巻読んでいるが、細かなストーリーの順序など記憶が曖昧になっている部分も多い。きちんと魔人ブウまでのあらすじを理解している方で且つ、ヤムチャをただの雑魚の脇役として粗末にせず思い入れを持っている読者には大変ウケると思う。・・・が、そんな読者はどれほどいようか。「転生したら」というのは昨今よく見かけるが、それをDBで公式に実現できてしまったのはすごいと思う。絵の精緻さやそういったバックグラウンドに感心するが、肝心の内容は私にはイマイチだった。DBマニア度が足りないせいかもしれない。

 

 

2.

多少の誇張はあるかもしれないが、働き方や仕事の効率性においてここまで違いがあるのか!と驚きの連続だった。ウィークデーも夕食を家族団欒で過ごして、年間休日数も突出して多い。少ない勤務時間の中で個々人が仕事で成果を出し、全体(社会経済)も好調とまさに理想的な姿である。
「良いなぁ」「そうなりたいなぁ」と素直に思うものの、そうなるための具体的なハウツーはあまり本書では述べられていない。類推だけど、「締切り時間を設定する」のはすぐに実践できる有効策だと思う。残業がある・休日に自宅でできるとかの思いが少しでもあると、脳が油断して本当はもっと短時間でできるような成果も時間内めいっぱいまで間延びさせてしまう。まずは「ドイツのような仕事の在り方も可能なんだ!」ということを認識し、それに近付くためにどうすればいいか?を自問する。

 

 

3.

バカ論 (新潮新書)

バカ論 (新潮新書)

 

ネットには無縁と思っていたビートたけしが、Web上で『お笑いKGB』という月額の有料コンテンツを出していたのは驚き。その中にある『思い出の一発』というのはすごく興味がある。たけしの体験談だけではなく、軍団のメンバーも記事を書くようだけど。
『バカ論』という名で昨今の世の不合理に一石を投じている本著。「TVがつまらなくなった」と言われる原因や、さんまやタモリ等他の大御所に対する素直な評価、映画論が面白かった。特に映画について、結局映画とは嘘であり、役者が演技することを求めない、役の感情を想像してなりきる必要もないと言い切っているのは印象に残った。

 

 

4.

著者が長年の試行錯誤の末に辿り着いた本棚ルールの指南本。著者曰く、読み終わった本や買ってきた本をただ並べているのは「本置き場」でしかなく、「本棚」とは読書を通じてより成長するためにもっと意識的に、能動的に本棚を捉えなければいけない。
細かなルールは多々あるが、最も重要なのは、本棚をある大きさで分割し、並べる本をジャンル分けするということ。買ってきた食材を冷蔵庫にしまう時に悩むことがないように、また既存の情報にアクセスしやすいように、本棚にも置く場所のルールを決めるべきである。このやり方にすると、あらかじめ設定する「ジャンル」がこれからの読書傾向に大きく影響する。そしてこのシステムが優れている点は、現時点では未だよく知らなくても、これから勉強しようと思っている分野について本棚に定位置を確保すればその場所に何冊の本があるか常に視覚化され埋めようという意識が働き、オートパイロット的にその分野の本の読書へと駆り立ててくれる。学びの分散性と読書傾向を視覚化する上で非常に良い方法と思う。
もう一点、フィルムタイプの付箋は私も使っていたが、貼ったままで良いというのは目から鱗だった。

 

・・・以上の計4冊。8月のMVPはバカ論。