ニャースのかきくけこ

ニャースはアニメ、ゲーム界のベンジャミン・フランクリン。

2018年6月に読んだ本

2018年6月に読んだ本

 

1. 

宇宙に命はあるのか 人類が旅した一千億分の八 (SB新書)

宇宙に命はあるのか 人類が旅した一千億分の八 (SB新書)

 

新書だが内容は濃い。ざっくり分けると、前半はロケット開発の歴史としてフォン・ブラウンやアポロを成功に導いた技術者の舞台裏。中盤は地球外生命体の探査。後半が地球の今後の予測や宇宙への植民など未来がどうなるかについて。
ロケット開発史は、コロリョフらのスプートニク1世界初の打ち上げ成功の話が、まるで自分もその場に参加しているかのように情景がよくみえて面白かった。その分、フォン・ブラウンの悔しさも痛いほどわかる。
地球外生命探査は、その探し方というのが、直接生命体と相対するだけではなく、交信やDNA解析などむしろ直接的に視覚するという方法ではなく、見つかるとしたら他の方法だというのは目から鱗だった。何光年先といった宇宙の壮大なスケールの元では、電波すら「遅い」と感じてしまう。

 

 

2.

史上最強のCEO イーロン・マスクの戦い (PHPビジネス新書)

史上最強のCEO イーロン・マスクの戦い (PHPビジネス新書)

 

ロケットの打ち上げコストを10分の1にする、これはもう実現できていることをNASA自身が計算をして証明されていた。イーロン・マスクはコストや実現時期の点において、まずホラを吹くというか高すぎる目標を掲げるので、後になってそれはもう実現済みなのか計画遅れで継続中なのかが今まで分からない部分があったが、本書によって氏の凄さを改めて知った。当然マスク氏がすべての技術開発を行なった訳ではないが、優秀な技術者に新しいビジョンを示し未踏の地へ強力に推進していくリーダーシップは現代人類の中で突出している。
ドラゴンV2のエンジンは3Dプリンターで作られた話や、超高額であったPICAを内製化した話、テスラ車の販売後のトラブルをリコールではなく夜ユーザーが寝てる間にソフトウェアをバージョンアップして対応する等、今までの常識では考えられない話がわんさと出てくる。それだけ数多くのブレイクスルーを実現するからこそ、これだけ注目と資金が集まるのだろう。

 

 

3. 

センスは知識からはじまる

センスは知識からはじまる

 

センスが良い人というのは天性的なもので、今センスが良くない人が頑張ってセンスという能力を大きく飛躍させるなんて無理と勝手に思っていた。しかし、それは間違いで、「センス」に占める感覚的な、インスピレーション的な役割は実はほんのごく一部で、それよりもっと大事なのは既存の知識をいかに沢山蓄えているかということだった。「クリエティブディレクター」という職種の著者の仕事は、知識の集積から論理的思考によって設計や選択をしていた。それはつまり、「何故そうしたのか」の理由や思考プロセスを明確に説明できるということである。生まれ持っての感覚に頼った判断であれば、説明することができない。日々、いろんなものに興味を持って視野を広げることがいかに大事かよくわかる。

 

・・・ということで6月は計3冊。思ってたより全然少なかった。

仕事関係の本で、必要な部分だけピックアップして読んだ書籍は対象外にしている。

あくまで通読したもののみ。読みかけの本も何冊かあるので、7月中に区切りをつけておきたい。

今月最も面白かったのは、「史上最強のCEO イーロン・マスクの戦い」。