ニャースのかきくけこ

ニャースはアニメ、ゲーム界のベンジャミン・フランクリン。

2017年10月に読んだ本

2017年10月に読んだ本の感想

 

1.

藤子プロでチーフアシスタントを務めたむぎわらしんたろう氏の視点から見た
藤子F不二雄先生の裏話や氏がドラえもんに関わるようになった経緯のマンガ。
どのようにして大長編シリーズをはじめとするドラえもん作品が生み出されたか、
その制作現場を垣間見ることができる。

大音量でクラシック音楽をかけていたり、藤本先生の事務所で勤務される時間の
少なさ(11:00〜12:00と14:00〜17:00の毎日計4時間、しかもそれを規則正しくとある)

などが描かれていて「そうだったんだ」と知らないことばかりで面白く読み進めた。

のび太ママの旧姓を決めたエピソードや、のび太の家の電話の話など
かなり細かな裏話も紹介されていてファンにはたまらない。

 

『ドラことば 心に響くドラえもん名言集』(小学館)にもむぎわら氏が
巻末エッセイとして見開き2ページ分を寄稿されていて、
その中でも出社時のバスで一緒になると普段は無口なことが多い先生が
読んでいた本を閉じて話しかけてくれたことが紹介されているが、
立ち食いそばの話や、ベトナム基金の話、それから制作秘話はこの本から
はじめて知った。唯一の欠点はボリュームが少ないこと。

 

 

2.

1977年4月創刊、2017年を迎えた今年で40周年となるコロコロコミック
その初期から作品を発表し続けてきた唯一の漫画家、のむらしんぼ氏による
創刊秘話。正直、めちゃくちゃ面白い!

冒頭、この物語を世に出すことになった経緯について、あの熱かった時代を
描いておきたい!とあったけど、まさに熱かった時代がそこにある。
まず、デビュー前からして、新人賞に応募して賞を取っただけのまだプロでもない
大学生を夜中の神保町(当時小学館コロコロコミック事務所があった)に
タクシーで呼びつけて、〆切が明日に迫ったウルトラ兄弟物語の原稿執筆を
手伝わせたり、編集者も一緒になってベタ塗りをしたりと、破天荒な裏側が興味深い。

 

それから、コロコロコミックという誌名を決めた理由なんかも個人的には
印象に残った。(最終選考にホームランコミックとコロコロがあった。)
第1巻では、創刊秘話、ゲームセンターあらし、とどろけ!一番!の

誕生秘話などが描かれている。

あと、千葉編集長の著者の結婚式での祝辞にはおったまげた。なんと非常識な・・・。

これは前述の熱かった時代とかエネルギーに溢れた時代とはまた違った意味で破天荒。

 

 

3. 

2017年で30周年を迎えるコロコロコミック創刊伝説の第2巻となる今作では、
超人キンタマン」「ファミコンロッキー」「高橋名人」の誕生秘話が紹介されている。

超人キンタマンガンダムの行き過ぎたパロディをしてバンダイから
怒られたエピソードの『えぐりあい編』など確かにパッと見の面白さはあるけど、
実際にその企画が通って漫画となって出版された、
当時のおおらかな環境や関係性は今考えても不思議だ。

コロコロの漫画家は小学館ビル内にある執筆室(通称タコ部屋)で〆切の迫る
原稿を仕上げることも多く、漫画家同士の交流が他誌に比べて盛んだった、
そのためにコラボ企画や合体漫画が独自に多く生まれていったのが特徴だけど、
その内輪の仲の良さは、やはりそれは内輪だけのものであって、
勝手に他所に見出してはいけないと思った。


要するに露骨な盗作はいけないということだが、超人キンタマン作者の
立石先生のインタビュー記事で上記の件について「横槍が入った」という言葉で
回想されていて、その点がすごく引っかかった。
これに関しては、悪いのは明らかにコロコロ側なのに。

高橋名人の出自みたいなエピソードは、最近多くのメディアで紹介されることも
多いけど、コロコロ編集部の関わりが非常に大きな意味を持つので、
やはりその渦中にいた人物のエピソードを通じて読む方がいかにして
スターが生まれたか、それが後に与えた影響がよくわかって面白かった。

 

 

4.

コロコロ創刊伝説を読んだ流れで、Amazonで見つけたので懐かしくなって購入。
ハチャメチャな冒険をするマリオ御一行は、バカだけどどこか愛らしい。
スーパーマリオくん」は今なおコロコロで連載されていて、
2017年10月現在、コミックスは52巻まで発売されているそうな。
64歳となった著者の沢田ユキオ氏が選んだ傑作9話が収録されている。
読んでみたけど、抱腹絶倒という感じではなくて、
たまーにクスリと笑えるところがあって、爆笑というより
ノリの懐かしさ、安心感、ノスタルジーの方が大きい。

でも、私が現役でコロコロを読んでいた小学生時代も、どちらかと言うと
いまと同じ気持ちだったような・・・。

 

 

5.

超スーファミ

超スーファミ

 

ミニスーファミが発売され、色々と当時の懐かしさに触れるべく読んでみた。
見開き2〜4ページで3人の編者によってスーファミの往年のソフトが紹介されている。
各作品に最低1枚はゲーム画面キャプチャが載っているので、

プレイしたことないゲームでもどのようなものかわかる。

 

単純にそのソフトの内容の魅力だけでなく、そのソフトが生まれた背景や他社の動向、

与えた影響などにも触れられていて興味深く読んだ。

FFシリーズは一度もプレイしたことがないがⅥだけでもやっておくべきだった!と後悔。
馴染みのあるゲームのノスタルジーに浸れるのと、知らないソフトの魅力を今になって発見できる、一度で二度美味しいゲーム案内書。

 

 

6.

小説 ドラゴンクエスト (ドラゴンクエストノベルズ)

小説 ドラゴンクエスト (ドラゴンクエストノベルズ)

 

ゲームを原作とする小説をはじめて読んだ。そしてこれがおもしろい!
ドラゴンクエスト1は世代が違うため未プレイでどこまでゲームのストーリーに
忠実かは判断できないけど、多分相当アレンジが入っていると思う。
そもそも、ドラクエ1はパーティ仲間がいないし、六魔将てのも聞き覚えがない。
1000年魔女のエピソードとラストの竜王とのバトルが手に汗にぎる感じで
良かった。それから、ガライの町でのセシールと宿で会った時の挿絵も素晴らしかった。 

 

 

7.

マーフィー 世界一かんたんな自己実現法―驚異のイメージング

マーフィー 世界一かんたんな自己実現法―驚異のイメージング

 

数年振りに再読。お風呂に浸かりながら読んだ。
「人は想像した通りになる」究極的にはこの一文で言い表せてしまう思考方法を
実践した人々の体験談(他者を妬んだり、否定的なことを思うといかに不幸なことが
訪れ、成功のイメージを浮かべると現実もそちらへ引き寄せられるかということ)が
アンソロジーのように次々紹介されていく。
その大多数は名前もわからない人なので、読む人によっては胡散臭い広告と同類に
感じてしまうかもしれない。すべて信じる/信じないの議論ではなく、自分も他者も
常に今より良くなる、未来は明るいと楽天した方が人生も生活も楽しいに決まって
いるのでただそうしたいなと思う。

" 願望をいつも思い浮かべ、潜在意識の力を信じていれば、
暗室(潜在意識)で想像されたイメージが銀幕(現実のスクリーン)に投影される。"

 

 

8. 

流れのふしぎ―遊んでわかる流体力学のABC (ブルーバックス)

流れのふしぎ―遊んでわかる流体力学のABC (ブルーバックス)

 

難しい数式を一切出さずに流体の現象をわかりやすく解説した良書。
紹介されている実験はいずれも紙やペットボトル、ストローなど身近にある素材で
確認してみることができる。現象が『なぜ』そうなるかの概要がすごく良くわかる。
2枚の紙を平行に並べてその間に息を吹くというベルヌーイの定理の実験は
思わず実際にやってみて楽しかった。飛行機が飛ぶ原理の記述は、以前に読んだ
別の本で、まさに本書で間違いと指摘されている内容で学んでいたので驚きだった。

 

 

以上の8冊。公害防止管理者が無事に終わったうれしさで10月は趣味の本に走り過ぎてしまった。

まあでも、そのお陰でコロコロ創刊伝説とかに出会えたのでよしとする。

11月は資格試験が2つあるので今月は趣味の読書はしない。読むのは参考書とテキストだけだ・・・!