2017年7月に読んだ本
2017年7月に読んだ本の感想
1.
「実例」が多く掲載されていて参考になる。「へーそうだったんだ」という発見が多い。
コラムというかTipsも著者独特の妙な部分へのこだわりみたいなのがあっておもしろい。
例えば、重油は揮発油税(いわゆるガソリン税)がかからないために常用発電設備の燃料としてよく使われるって話や、ビルの屋上のハト小屋の思い出など。
そしてそういう癖?は本編でも発動することが稀にあるようで、「キュービクル」には消火ポンプ本体と周辺設備を詰めた箱を意味することもある、みたいな感じで雑学的なことも多く学べたのでおもしろかった。
電灯/動力機器の考え方、区分けなどに特にわかりやすくまとまっていて、そのあたりの基礎的なことを学びたい人にはとてもおすすめ。
2.
Pokemon the movie XY 破壊の繭とディアンシー (小学館ジュニア文庫)
- 作者: 園田英樹,田尻智,石原恒和
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2014/08/06
- メディア: 単行本
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「わたくし・・・みなさんが、わたくしの友だちになるのを許します!」
もう、とにかく、ディアンシーが可愛い。その一言に尽きる。
ディアンシーほど「お姫様」と親和性の高いポケモンはいない。
映画は観てなくてこの本を読んだのでストーリー展開は知らなかった。
終盤の戦いはドキドキして早く続きが読みたくてすごい勢いでページを
めくってしまった。イベルタルの咆哮がいまにも聞こえてくるように
思うほど入り込んでいた。
こんなに面白いなら他のポケモン映画の文庫も続けて読んでみよう。
3.
- 作者: 牧野 武文
- 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
- 発売日: 2010/06/11
- メディア: 単行本
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花札・トランプの任天堂から玩具、ゲームの今日の任天堂へと大躍進させる原動力となった横井軍平氏の本。「任天堂ノスタルジー」という文庫化されたものを先に2年ほど前に読んでいて、単行本を再読した。
横井氏の任天堂での開発実績はめざましく、ウルトラハンドに代表されるウルトラ三部作、光線銃シリーズ、ゲーム&ウオッチ、そしてゲームボーイ。
代表と呼べる製品が1つあるだけでも偉大なのに、これほどのヒット商品を実現するとは、まさに「天才」である。
落ちこぼれ大卒として入社して初めての仕事は、花札の糊の攪拌機の改良だったものの、社内で自分のアイデアを具現化して遊んでいたのを偶然社長が見つけたことで、玩具の開発の道に進んでいく。
それぞれの商品が開発秘話やマリオ誕生の背景(アメリカ法人のアーケード機失敗)など、どれもおもしろい話が多くて、ゲーム好きの私などは夢中で読んでしまった。
横井氏は、膨大な数のヒット商品を世に送り出したが、ただのアイデアマンではなく、技術的課題やコストの問題をクリアして、実現させる能力もすごい。
それがよくわかるエピソードが、シャープが太陽電池を何か使ってくれないかと売り込みに来て、光線銃に使おうとした時の太陽電池のコスト削減の話だ。
自分の本業(玩具)だけでなく、他社の製品の製造法にまで目をつけて改革してしまう能力の高さにただ脱帽するばかり・・・。
4.
クリーンルーム関連の本はこれが初めてだったので、「初心者」とか「入門」とか内容が平易そうなものを探して本書を読んだ。
知りたかったことは第1章の「クリーンルーム設計の予備知識」に網羅されてあった。図と写真が豊富で、特に実際に使われる機器の写真が多いのは有難い。
クリーンルームの吸気、排気の機器などは通常室内からは見えない場所に設置されることも多く、あまり目にする機会もないので。
さらに深く学びたい場合は、2章以降の計画・設計、施工、維持管理管理・・・と進んで行けばしっかりとクリーンルームの技術を身につけることができる。
全体としてよくまとまっており良書。
5.
本書は脳を活かす○○術というシリーズのようだけど、茂木さんの著書は今回が初めて。色々な幅広いテーマを広く浅く説明されているような印象を受けた。
特に以下の2つの考え方が興味深かった。
・自分が変われば「記憶」の解釈も変わる
何かを思い出したいと感じた時、「想起する」という行為自体は
その時点で既に完結している。記憶は固体ではなく動体。
・脳は物事の選択や判断を無意識に行っていて、意識がそれを追認している
意識的に選ぼうとすると、うまく意思決定ができない。
このような考え方もあるのか、と思考の幅が広がった。それと茂木氏はブログを書かれているそうで、日記を書くことの理由や効用について、ここまでストレートに明確に言語化された記述を私は今までに見たことがなく、自分もネットに公開するブログではない自分の為だけの日記を数年続けているが、その意味を他者から改めて教わった。
6.
全然古代史とかエジプト史に詳しい訳ではないけど、ツタンカーメン王の墓から見つかった副葬品にぼんやりと興味があったので読んでみた。
ピラミッドとか宝飾品の数々が美麗な絵とともに紹介されていて、それを見ているだけでも楽しいけど、特に興味を持ったのは化粧品とかゲームの類。化粧品は3,000年も前から盛んでカモをモチーフにした容器や壺の装飾など、入れ物にも凝っていたことに驚いた。ゲームは升目上の駒を動かして競い合う盤ゲームのようなものが、ファラオの時代から広く娯楽として普及していたことが衝撃だった。
7.
特に興味を持ったのが以下3点。
・「水再生システム」でおしっこを飲み水としてリサイクルする装置の開発。
”なぜそんなことをしなければならないかというと、ISSでは空気も水も食料も、
生きるために必要なものはすべて地球から運んでこなければならないから”
で、そのなかでも圧縮できない水というのは、宇宙に運ぶという視点で見た時、
「重い」と表現されていて印象に残った。
・宇宙で日本実験棟「きぼう」での生物実験や物理(流体)実験の様子が紹介されていて
おもしろかった。無重力・高真空・放射線の度合など地球とは大きく異なる環境下
で宇宙飛行士は実験者としてだけではなく、時には技術者、整備者(装置の故障や
異常時の対応)としても機能しなければいけない。
・約4トンある「きぼう」の船外実験施設を、エンデバーで輸送した後、
宇宙空間のロボットアームを使ってISSに合体させる作業では、秒速1センチという
非常にゆっくりした動きで慎重に作業したのを読んでるだけで手に汗握る、感じで
緊張感がよく伝わった。
7月は以上7冊。目標と掲げた8冊には惜しくも届かず。
今月(8月)はQC検定2級の試験勉強があるのでそちらを優先。
読書目標は3冊と減らし、その分勉強をせねば・・・!