2017年5月に読んだ本
2017年5月に読んだ本の感想
1.
トコトンやさしい2次電池の本 (B&Tブックス―今日からモノ知りシリーズ)
- 作者: 細田條
- 出版社/メーカー: 日刊工業新聞社
- 発売日: 2010/02/01
- メディア: 単行本
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今日からモノ知りシリーズは何冊か読んでいるが、その中でも本書が最も良かった。
二次電池やクリーンエネルギーを取り巻く社会的な背景や廃棄物処理、リサイクルも丁寧に最新の状況が解説されていて参考になった。
電池のメカニズムの前段階として、化学の知識の復習もなされているが、電子配置のところだけは何度か繰り返し読んでみたが理解できなかったので他をあたろうと思う。(私の理解力が低いだけかもしれない。)
2.
ポケモンのカードゲームは一切やっていないけど、ポケモンというコンテンツが好きなので購入。様々なクリエイターの作品が紹介されていた。巻末の方に石原恒和さんとか、増田さん、杉森さんのインアビュー記事がちょこっとあるけど、大部分の頁はポケモンカードをアート的に楽しむための原画(イラスト部分)の紹介に充てられている。
見ていて思ったのは、絵のスタイルに統一感がまったくないこと。これは他のカードゲームと比べて珍しいポイントじゃないかと思った。
イラスト自体も手書きや3DCGと様々あって、公式としてもプレイヤーに刺激を与えるために女の子向けに特化したデザインのパックを発売したりと意図的にいろいろなデザインが混在するように仕向けていたことが伺える。
それと、イラストレーターの有田満弘さんのインタビュー記事の中でさらっと書かれている内容に驚いた。
時系列的には、GBのポケモン赤・緑やアニメが大ヒットしたことを受けて、派生作品的にポケモンカードゲームが作られたのだとてっきり思い込んでいたけど、実は赤・緑発売前からカードゲームの方も同時並行で進んでいたんだとか。
有田氏は発売前のGBのドット絵や杉森さんの描いた公式イラストを頼りに連想を膨らませて初期のカードデザインを行ったとかの裏話を知れて大変おもしろかった。
3.
かなり口語的。哀川さんが誰か(編集者とか)に語ったの内容をそのまま文字起こししたような感じに見える。
哀川さんは20時に寝て翌朝4時に起きるという生活サイクルを推奨されているけど、掲載されている30日の実際のタイムテーブルを見ると21時までに就寝できた日はおよそ3分の1となる8日だった。寝床に入る時間は仕事や付き合いの関係で常に同じにできなくても、起きる時間は遅くとも5時台には活動を開始されていた。
「時間がない」が口癖になってる人は一度読んでみると良い。仕事と家族(妻と5人の子)と、それとたくさんの趣味に哀川さんがどのように時間を工面して取り組んでいるのかがよくわかる。
4.
1978年に初版発行の本書。繰り返し2回読んだ。
トヨタ生産方式の2本の柱となる自動化とジャスト・イン・タイムについて後者をトヨタ社内で具体的に計画、普及させていった張本人の言葉で書かれているので非常に参考になる。
どのように扱うかという方法や事例よりも、どちらかというと豊田喜一郎氏の発言から着想を得たこの生産の在り方を、大野氏がどのようにして社内で実現していったか、その辺りの過程が詳細に書かれている。
量の関数意識(まとめてたくさん作るほど安くなる)や、生産工程は前から順番に後に流していくといったそれまでの常識に反したことを実現、定着させるのはトヨタ社内だけでもいかに苦労を伴うものであったかがよく分かった。トヨタはある時期いきなりこの手法に切り替えたのではなく、大野氏の職位が上がるに連れ、少しずつ適用範囲を広げていったことが時間は要したけれども成功の要因になった、ということも学んだ。
そのほか、個人的に興味を持ったのは下記の2点。
(1)豊田喜一郎氏の引用で、自動車製造事業立ち上げに至る3年間に何をしていたかの部分
(2)後半の自動車王ヘンリー・フォードの引用と大野氏の考察
5.
平家一族のオーナー、舵取りとして清盛の軌跡を追う内容。
著書も本文で書かれている通り、歴史というのは、どこかから古文書でも発掘されて
革命的な発見がなされない限りは、現在ある事実から答えを推測するしかない。
なのであくまで著者の山田氏の持論ではあるが、楽しく読めた。
清盛の「失敗」をいかしたり、回避する方法は読者が考えるといったところで、
本文で詳細に述べられているのはむしろ、
父の忠盛と清盛の代で平家は急成長を遂げた背景、当時の貿易事情、
物物交換だった当時の日本に中国から宋銭を輸入し貨幣経済を進めたこと、
そのことが平家の莫大な財を築く原動力となったが、
清盛の死後4年で一族絶滅という急落の原因にもなったということが
少し口語的な文章でわかりやく説明されている。
平清盛は、50歳で出家して神戸に移り住み、私財を投じて
神戸港の瀬戸内海航路の開発に傾注してたってのは知らなくて驚きだった。
それと個人的に、東京の八重洲の地名の元になったエピソードがおもしろかった。
6.
大長編ドラえもん4 のび太の海底鬼岩城 (てんとう虫コミックス)
- 作者: 藤子・F・不二雄
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2015/12/18
- メディア: Kindle版
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安定のおもしろさ。大長編はハズレがないので安心して楽しめる。
スネ夫とジャイアンが大西洋進行中にテキオー灯が切れて、
ピンチになったときのバギーの台詞「死ヌンデスカ。人間ナンテ
イバッテテモ、コウナルトダラシナイモノダネ。」に薄ら寒さ的な
恐怖を感じる。
人口知能がさらに発達した未来にこんなことにならなければよいが・・・。
以上の6冊。今月は10冊を目標!!